今川氏といえば、戦国時代の脇役的イメージが定着しています。
これは織田信長に桶狭間の戦い1560年(永禄3年)で討たれてしまった影響ですね。
しかし、1560年以前は織田氏より圧倒的に強い大名でした。
そんな今川氏の栄枯盛衰の歴史を少し学んでみました。今川氏ゆかりの地も訪れたので、興味があればお読みください。
今川氏の祖先
今川氏を遡ると清和源氏につながります。
清和源氏とは、清和天皇の孫である経基王が臣籍降下して源経基(890-961)を名乗ったことから始まります。
源満仲、源頼信、源頼義と継いで「八幡太郎」と言われた源義家(1039-1106)が継承します。
源義家の孫にあたる源義康(1125-1157)が足利荘を本拠地としたため、足利義康を名乗ります。足利氏の祖となる人物です。
足利義康の孫にあたる足利義氏(1189-1255)が三河国守護職となり、矢作川東岸の吉良に拠点をおきます。
足利義氏の子にあたる足利長氏(1211-1290)が家督相続後、吉良荘を支配し、吉良長氏と名乗り始めます。吉良氏の祖となる人物です。
吉良長氏には2人の庶子がおり、長男の満氏(生誕不明-1285)に吉良の家督を継がせます。そして次男の国氏に吉良荘の一部である今川の地(現在の西尾市今川町)を与えられ、国氏が今川国氏を名乗り始めます。
※吉良満氏は東福寺の聖一国師の円爾を招いて1271年に実相寺を建立しています。
今川氏を名乗った今川国氏
最初に今川氏を名乗ったのは今川国氏(1243-1282)は、吉良長氏(1211-1290)の二男です。
国氏は今川の地を与えられましたが、所領は小さく今川国氏は三つの村を治める領主からスタートしました。
今川氏の発祥の地は愛知県西尾市今川町で、西尾中学の南側に今川氏発祥の石碑が建っています。

今川国氏には4人の男子がおり、長男基氏(1259-1323)が跡を継ぎ、次男常氏は関口郷を与えら関口常氏、三男俊氏が入野郷を与えられ入野俊氏、四男政氏が木田郷を与えられ木田政氏を名乗っていきます。
「無徳の人」今川基氏と5人の子
今川氏を継いだ今川基氏(1259-1323)は、今川了俊の「難太平記」によれば無徳の人のようです。
ですが基氏には5人の男子がいまして、長男頼国、二男範満、三男頼周、四男大喜法忻、五男範国です。
跡を継いだのが五男の範国(1295-1384)です。
末弟である範国が継ぐことになったのは、中先代の乱(1335)にあります。
中先代の乱を説明すると、足利尊氏が京都におり、足利直義が鎌倉を守っていた当時、北条高時の遺児北条時行は信濃で挙兵し、足利直義の軍を破って鎌倉を占領した。
敗れた直義は三河まで敗走し、三河矢作で尊氏軍と合流して反転攻勢して、鎌倉を奪還するまでの乱です。
尊氏・直義の軍勢は、遠江を進んで橋本において敵を撃ち、さらに鎌倉に逃げる時行軍を追って、小夜の中山で大激戦が繰り広げられた。
この戦いで長男頼国が大活躍し、大将名越邦時を討ち取っています。名越邦時の鎧を埋めた「鎧塚」は今でも残っています。


しかしその後、相模川の戦いで長男頼国・三男頼周が討死、二男範満も武蔵小手指原の戦いで討死します。頼国は勇猛果敢で強行渡河を試み、矢が20本刺さって射殺された様子が描かれてます。
※中先代と呼ぶのは、建武新政権に対する反乱で、先代を北条高時の乱、後代を足利尊氏の乱とすると、その中間にあたるためです。
四男は出家していて、仏満禅師の大喜法忻といいます。鎌倉の浄妙寺、円覚寺、建長寺の僧を歴任した人物であり、開設した寺が駿河に9つ、下野に3つ、相模に2つある名僧でした。
今川基氏の妻である香雲院は教養を身につけた女性で、範国や孫の了俊に和歌のてほどきをしています。教養の高い今川氏は香雲院の影響を受け継いで行ったのかもしれません。
中先代の乱の原因で末弟の今川範国が家督を相続しますが、この範国が今川氏を大きく飛躍していきます。
今川範国までの系譜
源経基 | (生年不詳-961) | 清和源氏の祖 |
源満仲 | (生年不詳-997) | 鎮守府将軍 |
源頼信 | (968-1048) | 平忠常の乱を鎮圧、道長四天王 |
源頼義 | (988-1075) | 鶴岡八幡宮創建 |
源義家 | (1039-1106) | 通称八幡太郎、玄孫に源頼朝 |
源義国 | (1091-1155) | 長男義重は新田氏、里見氏、山名氏の祖 |
足利義康 | (1125-1157) | 足利氏の祖 |
足利義兼 | (1154-1199) | 正室は北条政子妹 |
足利義氏 | (1189-1255) | 三河国守護、正室は北条泰時の娘 |
吉良長氏 | (1211-1290) | 吉良氏の祖 |
今川国氏 | (1243-1282) | 今川氏の祖 |
今川基氏 | (1259-1323) | 無徳の人 |
今川範国 | (1295-1384) | 今川氏初代守護 |
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